ビースターズは、肉食動物と草食動物が共存する独特な世界観のなかで、動物たちの青春や葛藤を描いた作品です。多くのマンガ賞を受賞したビースターズのマンガは、2020年10月に完結しました。
人気作品であるビースターズですが、打ち切りになったという噂があります。なぜ、打ち切りになったといわれているのでしょうか。シリーズ終了の噂が気になりますよね。
実際は、作者は納得できる結末だったとして、打ち切りを否定しています。
この記事では、ビースターズが打ち切りになったといわれる理由を解説します。
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公開日 | 第1期:2019年10月10日 第2期:2021年1月7日 |
脚本 | 樋口七海 |
原作 | 板垣巴留 |
制作会社 | オレンジ |
出演 | 小林親弘 千本木彩花 小野友樹 種﨑敦美 他 |
主題歌 | 第1期OP:ALI「Wild Side」 第1期第2・5・8・9話ED:YURiKA「Le zoo」 第1期第3・7・10話ED:YURiKA「眠れる本能」 第1期ED第4・11話:YURiKA「マーブル」 第1期第12話ED:YURiKA「月に浮かぶ物語」 第2期OP:YOASOBI「怪物」 第2期ED:YOASOBI「優しい彗星」 |
肉食獣と草食獣が共存する世界。食肉が重罪とされるなか、全寮制の名門高校・チェリートン学園では生徒が食い殺される”食殺事件”が起きる。不安の渦巻く校内で、演劇部の変わり者・ハイイロオオカミのレゴシは『大きい身体』と『鋭い牙』とは裏腹に静かに生活していた。しかし小さなうさぎの女子生徒・ハルとの出会いが、そんなレゴシの心を揺り動かす。「彼女を求める気持ちは、恋なのか? 食欲なのか?」彼が本当に出会ったもの、それは自分自身の本能だった。
キャスト | 役名 | 代表的な出演作品 |
---|---|---|
小林親弘 | レゴシ | ・ゴールデンカムイ(2018年~2023年)杉元佐一役 ・アオアシ(2022年)福田達也役 |
千本木彩花 | ハル | ・転生したらスライムだった件 転スラ日記(2021年)シュナ役 ・ダンジョン飯(2024年)マルシル役 |
小野友樹 | ルイ | ・バッテリー(2016年)門脇秀吾役 ・ブルーロック(2022年~2023年)國神錬介役 |
種﨑敦美 | ジュノ | ・SPY×FAMILY(2022年~2023年)アーニャ・フォージャー役 ・わんだふるぷりきゅあ!(2024年)犬飼いろは / キュアフレンディ役 |
梶 裕貴 | ピナ | ・進撃の巨人(2013年~2023年)エレン・イェーガー役 ・七つの大罪 黙示録の四騎士(2023年~2024年)メリオダス役 |
白熊寛嗣 | リズ | ・オーバーロード(2015年~ 2022年)ガゼフ・ストロノーフ役 ・スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(2019年)ケイナン・ジャラス役 |
大塚明夫 | ゴウヒン | ・バキ(2018年)範馬勇次郎役 ・ルパン三世 PART6(2021年 ~2022年)次元大介役 |
楠 大典 | イブキ | ・キングダム(2012年~2022年)蒙武役 ・炎炎ノ消防隊(2019年~2026年)レオナルド・バーンズ役 |
木村 昴 | フリー | ・ドラえもん(2005年~)剛田武(ジャイアン)役 ・THE FIRST SLAM DUNK(2022年)桜木花道役 |
打ち切りだと噂される理由として、物語終盤の展開が早かったという意見があります。
ビースターズは、肉食動物と草食動物の世界観や細かい設定が魅力です。
たとえば、次のような細かい設定で、ビースターズの世界観を作り出しています。
- 公共の場で牙をむくのはマナー違反である
- 肉食動物は草食動物に道を譲る
- 小動物は壁際を歩くようにしている
- 電車には哺乳類車両や爬虫類車両、草食専用車両などがある
- 肉食動物と草食動物で学食メニューが異なる
また、肉食動物と草食動物の間には、下記のような弱肉強食の関係性があるなかで、異種族の共存をテーマに繊細に描いています。
- 肉食動物:肉を食べたい本能を理性で抑えて生活している
- 草食動物:食べられるかもしれない恐怖のなかで生活している
序盤から中盤にかけて、キャラクターの成長やテーマを丁寧に描いていた作品が、終盤にペースが加速し最終回を迎えました。
クライマックスになると駆け足気味になり展開が早くなっているため、打ち切りだと感じる人がいたようです。
しかし、作者は打ち切りではなく、エンディングに納得していると公表しています。
作品のなかで描きたかったテーマを描けたので、キリがいいところで終わらせたということです。
終盤にかけて急ピッチな進行になっていたことが、打ち切りと噂された原因の1つです。
ビースターズのエンディングでは、異種間の共存が十分に解決されていないことから、打ち切りになったと言われた可能性があります。
ビースターズの物語は、難しいテーマである捕食者と被食者の問題が、どのように解決されるのかが注目されるところでした。
しかし、最終回では明確に解決されなかったため、打ち切りだと噂されたと考えられます。
- 異種間で共存できるのか
- 肉食動物と草食動物の混血はどう生きていけばいいのか
1つは、異種間で本当に共存できるのかという問題です。
肉食動物と草食動物の間には、捕食者と被食者の関係があり、多くのキャラクターが異種間の葛藤に苦しんできました。
しかし、物語の最後では、異種間の対立をどのように解消するか、根本的な答えは描かれませんでした。
もう1つは、肉食動物と草食動物の混血は、どのように生きていくべきかという問題です。
メロンは混血であるがゆえに孤立し、殺戮に走る存在として描かれていますが、メロンの問題は解決されていません。
混血の生き方に関するエピソードが不足していたことも、エンディングが中途半端に感じられる理由でしょう。
- 物語全体としては完全な解決は描かれていないけど、それぞれのキャラクターは答えを出しているように感じる
- 肉食動物のレゴシと草食動物のハルが、異種間の難しい関係を乗り越えようと努力する姿が最終回で描かれている
- レゴシとハルは、共存に向けて努力し続けることで、解決に向かっているともいえる
「物語全体としては完全な解決は描かれていないけど、それぞれのキャラクターは答えを出しているように感じます。」
ビースターズは、物語全体のテーマである異種間の共存に触れないまま最終回を迎えたため、打ち切りではないかと噂されました。
打ち切りと噂される理由に、多くの読者がいる人気作品であったため、期待が大きく膨らんでいたことが挙げられます。
ビースターズは、深いテーマと魅力的なキャラクター設定で、多くのマンガ賞を受賞している人気作品です。
受賞したマンガ賞 | 部門 |
---|---|
第42回講談社漫画賞 | 少年部門受賞 |
第11回マンガ大賞 | 大賞 |
第21回文化庁メディア芸術祭マンガ部門 | 新人賞 |
第22回手塚治虫文化賞 | 新生賞 |
多くの人が読む人気作品であればあるほど、全員が納得するエンディングを作り上げるのは難しくなります。
読者の数が多くなれば、それぞれの読者が持つ期待や希望も異なるため、すべての要望に応えることは不可能でしょう。
エンディングが一部の読者にとって物足りないと感じられ、中途半端なラストだったと批判されることもあります。
視聴者のなかには以下のような意見もありました。
- レゴシとハルの関係をもっと掘り下げて欲しかった
- ヤフヤとゴーシャの物語を深く描いたからこそ、レゴシとルイがビースターズを目指す展開をみたかった
- リズとピナの続きの物語がみたかった
作品に込められた期待の大きさが、エンディングに対する賛否を引き起こした要因となったようです。
ビースターズの原作はマンガで、2019年にアニメ化されましたが、アニメがひどいと感じる人がいるようです。
- 3DCGの動きに違和感がある
- 擬人化された動物たちがリアルすぎる
- 残酷なシーンがある
3DCGは2Dより奥行きや立体感があり、なめらかでリアリティがある映像が特徴です。
2Dアニメに慣れている人にとって、3DCGはぬるぬる動くキャラクターに違和感を持つのかもしれません。
登場する動物たちは、体は人間で顔は動物です。
擬人化された動物たちがリアルで気持ち悪いと感じる人もいるようでした。
ビースターズは、肉食動物が食べたい本能を抑えながら草食動物と共存していく物語です。
肉食動物が草食動物の友達を食べてしまうシーンや、殺戮を繰り返すキャラクターもいるため、残酷なシーンがあります。
3DCGの動きや擬人化されたリアルな動物たち、残酷なシーンが理由でひどいと感じる人もいるようです。
ヒグマのリズは、チェリートン学園でアルパカのテムを食い殺した犯人です。親友と呼べるほど仲がよかった2人ですが、なぜ捕食者と被食者になってしまったのでしょうか。
理由は次の2つです。
- リズが本能である捕食を友情だと思い込んでしまった
- 抑制剤を服用していなかった
リズはテムが自分のことをすべて受け入れてくれる親友であり、肉を食べたいと思う本能も受け入れてくれると解釈してしまいます。
肉食動物の力を抑える抑制剤の服用もしていなかったことも重なり、テムを食殺してしまったと考えられます。
リズは、肉食獣のなかでもとくに大型で力が強いヒグマです。身長が2mを超える個体は、力を抑える薬の服用が義務づけられています。
リズは薬の副作用で頭痛があり、軽減させるためにいつもハチミツを食べていました。
リズは薬を服用していることをだれにも言えず孤独でしたが、テムと話すと体が軽くなったことに気付きます。
リズが薬のことを話すと、テムは理解してくれたため、心を開くようになります。テムと話す時間が増えると、ハチミツの消費量が減っていきました。
リズは、テムと仲良くなっていくうちに、本当の自分を受け入れて欲しいと思うようになり、薬の服用を辞めてしまいます。
薬の効果が切れ本能を取り戻したリズは、テムが本当の自分を受け入れ、テムの同意のうえで捕食したと解釈してしまったのでした。
メロンは、ヒョウとガゼルの間に生まれた、肉食動物と草食動物の混血です。メロンの表向きの職業は、ゾウ専門のカウンセラーとして登場します。
しかし、実際は象牙をねらってカウンセリングしたゾウの命を奪っていました。
また、反社会組織シシ組のボスでもあり、極悪非道なキャラクターです。
メロンは普段、マスクで牙を隠しているから、草食動物に見えるんだよね。
メロンが殺戮を繰り返すようになったのは、両親の無責任で自己中心的な態度にありました。
混血であることからいじめを受け、母親は異常な愛情と歪んだ欲望を押し付け、父親は無関心で責任感を持たない存在でした。
母親をアイロンで殺害したことをきっかけに、メロンは孤独と愛されなかった怒りから殺戮をはじめたと考えられます。
クライマックスでは、レゴシとの決戦の末、追い詰められ自殺を試みるが失敗します。病院で治療を受けたあと、多くの罪で逮捕されました。
ハイイロオオカミのジュノは、同じハイイロオオカミのレゴシ、次にアカシカのルイに恋をしますが、結ばれませんでした。
ジュノは明るく社交的で、自他ともに認める美貌の持ち主です。
ジュノがいじめを受けていたところを、レゴシに助けてもらったことがきっかけで、好意を持つようになります。ジュノはレゴシに思いを伝えるも、鈍感なレゴシに気付いてもらえず、恋は叶いませんでした。
ジュノがレゴシの次に恋したのは、アカシカのルイです。
ジュノはルイをライバル視していましたが、次第に惹かれていき好きになります。ルイもジュノの積極的で素直なところに惹かれていきます。
しかし、財閥の跡取りであるルイには同じアカシカの婚約者がいました。
両想いだった2人ですが、異種族であることやルイが御曹司であることで、結ばれずに最終回を迎えています。
ビースターズがなぜ打ち切りと噂されているのか、理由を解説してきました。
- 終盤の展開が早い
- 肉食動物と草食動物の問題が解決していない
- 最終回への期待が膨らみすぎた
ビースターズのマンガは完結していますが、打ち切りではありません。
作者が納得できるところまでテーマを描ききったため、最終回を迎えました。
ビースターズは、独特な世界観や細かい設定が魅力で、難しいテーマが描かれています。キャラクターたちが、葛藤や成長を通じて共存しようと努力する姿は、現実社会にも通じるものがあり、深く考えるきっかけになるかもしれません。
ぜひ作品に触れて結末やテーマを考察し、独自の解釈を楽しんでみてください。
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